先日このようなエントリーを書きました。
バターが品薄です。もう入ってこない理由とは? 【 雑貨屋マルサムの姫野店ちょー日記 】バターは品薄だけれども、うちの店にはまだあるよと書きましたが、とうとう欠品いたしました。問屋さんから聞いたら12月いっぱい入荷することは難しいとのこと。
ちまたでもバターがないない狂想曲がたくさんなっておりますが、農林水産省のサイトにバターの品薄に関してのQ&Aが掲載されていました。とりあえず、お客様へのバター欠品の言い訳としまして、ご紹介いたします。
農林水産省/バター不足に関するQ&A質問①:どうしてバターがないねん!
☆ 昨年の猛暑で牛さんたちの乳が炎症を起こしたためと酪農家が減少したためです。
◎ バター不足原因①:猛暑により牛さんたちに乳房炎が蔓延
先のエントリーにも書きましたが、昨年はすごい猛暑でした。
ニュースでは猛暑のため牛さんたちのエサである牧草が育たず、牛さんたちの栄養状態が悪くなったので、乳が出なくなったといっておりました。
しかし、猛暑の影響は牧草だけではなかったのです。猛暑のせいで、牛さんたちの乳が炎症を起こしたのです。炎症の病名は乳房炎。
乳牛にとって、いちばん身近な病気のひとつが乳房炎です。これは、たとえば何かの理由でオッパイにばい菌が入ってしまい、このばい菌を排除しようとする防御反応で、炎症を起こしてしまいます。
猛暑=乳房炎の因果関係はわかりません。
おそらく牧草が原因で牛さんたちの栄養状態が悪いということは免疫にも影響がでる。それで炎症を起こしやすくなったのではないかと勝手ながら思います。
もちろん乳房炎になると乳を搾ることができません。なので生乳が不足したのです。
◎ バター不足原因②:酪農家が減少し、牛さんたちの頭数も減少したため
いろいろな原因があげられていますが、昨今、酪農家の減少が激しいそうです。とくに最近は円安の影響が大きく、輸入されるエサ代などの費用が高騰し、経営ができなくなったために廃業される酪農家さんが多いといいます。どれくらい酪農家さんが減少したかというとこれくらい。
統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103統計の数値から、わたしが勝手にグラフ化したものです。左が全国の酪農家戸数、下が平成年度を表しています。ま、軒並み減少しております。
それで酪農家が減少するということは、もちろん牛さんたちも減るということで生乳の生産量が落ちたのです。
ということで、バター不足の原因は「猛暑の影響による牛さんの乳房炎の蔓延」と「酪農家減少による牛さんの減少」のためです。
質問②:どうして牛乳はたくさんあるのに、バターがないねん!
☆ 生乳から一番最後に加工される商品がバターだからです。
実はわたしも疑問に思っていました。バターがこれだけ不足しているのに、牛乳はいつもどおり入荷される。同じ生乳で作られているのになんでなの?
それは生乳の生産構造にありました。
生乳は非常に腐りやすいので、先に牛乳や生クリームに加工されます。そして最後に保存性の高いバターや脱脂粉乳に加工されます。
ちなみに生乳の生産量が多いときはバターや脱脂粉乳を在庫として積み上げておきます。生乳の生産量が減少したときは、バターなどの生産を減らし、在庫を放出するといいます。
たとえば生乳が100とれたとしたら、そのうち80を牛乳を作るのに回し、残り20でバターを作る。しかし、今回は生乳が80しか取れなかったために、牛乳を作ってしまったら、バターを作る分がなくなったよということです。おまけに、在庫していたバターまでなくなっちゃったのでバターが不足したのです。
ということで、牛乳は不足していないのにバターが不足するのは、生乳の生産構造が理由でありました。
質問③:それでバター不足に対して、お国は何をしてくれるんだい?
☆ 合計1万トンのバターを外国から輸入します
バター不足が深刻なことから、国はバターを1万トン輸入することを決定しました。ちなみにバター1万トンというのは、昨年のバター生産量の約2割。
1万トンのうち、すでに2000トンが輸入され、11月中に5000トン、来年3月までに3000トンが輸入されるそうです。
参考にどこからバターが輸入されるかというと、
http://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokusei/kaigai_nogyo/pdf/import.pdf
おもにニュージーランドからみたいですね。
ちなみに今回輸入されるバターはこれだそうです。
今回輸入されるバターは、バラバターとよばれる品質保持期限の長い業務用の冷凍バター(主に20kg)になります。
この輸入したバラバターを国産のバターに置き換えることにより、乳業メーカーは、国産のバラバターに加工されていた生乳を家庭用やポンドバター(業務用・冷蔵バター(約450g))等のバターに回すことができるようになります。このため、現在不足している家庭用バターの製造に乳業メーカーが注力できるようになり、バターの安定的な供給につながります。
最後の質問:それで今後のバター状況はどうなるん?
☆ 今回の輸入により一息つけます
今回のバター輸入量1万トンというのは、前年度末の在庫量を上回ります。よって来年は現在のような深刻なバター不足にはならないそうです。
ということは、来年はおそらくバターないない狂想曲は止むのではないでしょうか。
最後に農林水産省のお言葉
国としては、今後も生乳生産や需給動向を注視しながら、必要に応じて適時・適切な対応をし、バターを始めとする乳製品の安定供給がなされるよう引き続き努力してまいります。
はい、優秀な模範解答であります!
☆ まとめ
しかし、これからクリスマスケーキなどでバターの年末需要がすごいはず。いったいどうなるのでしょうか。
ま、わたしにはぜ~んぜん関係ありません!バターがなくたって、クリスマスケーキがなくたってなんのその!
お餅
さえあれば平気です!うちのクリスマスは毎年お餅パーティーですから!
- 関連記事
-
- バターが品薄どころか欠品!原因と対策が農林水産省サイトに出ていた件 (2014/11/20)
- 成長率がマイナスなのはアベノミクスの失敗が原因なワケ (2014/11/19)
- バターが品薄です。もう入ってこない理由とは? (2014/10/29)
- スタグフレーションはじまる? 日本の終わりの始まり始まり~ (2014/10/07)
- 野菜ジュースを飲んでも効果がない!?栄養はほとんど摂れません! (2014/10/03)
(記事編集) http://marusamu.com/blog-entry-864.html
2014/11/20 | Comment (1) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |このコメントは管理者の承認待ちです
コメントを投稿する 記事: バターが品薄どころか欠品!原因と対策が農林水産省サイトに出ていた件
お気軽にコメントをどうぞ。非公開 (管理人のみ閲覧可能なコメント) にしたい場合には、ロック にチェックを入れてください。
Comment